保存修復の作業には次のようなものがあります。
1。PROVA(検査)
2。VELINATURA(画面の養生)
作業の最初に行うのは、作品が、水や溶剤に対してどのように反 応する か検査することです。
その検査の結果を見て、どのような材料を使用して保存修復の作業を行うか方針を立てます。
絵具層を補強したり柔軟性を持たせるため、膠(にかわ)や樹脂等を塗布したり、
作業中の画面保護のために薄い和紙で表打ちを行います。
3。CONSOLIDAMENTO( 絵具層の固着)
絵具層の劣化や剥落を防止するため、キャンバス裏面から接着剤を浸透させ絵具層と
下地をキャンバスに固着させます。
部分的に行う作業はFERMATURAと言っています。
接着剤には、膠、蜜蝋と樹脂、合成樹脂等を使います。
4。RINTELATURA(裏打ち)
キャンバスの劣化を防ぎ、これを補強するために裏面に新しいキャンバスを貼ります。
作品の縁の部分のみ強化する作業は別にSTRIPLININGと言っています。
接着剤には、膠を主体にしたもの、蜜蝋と樹脂を主体にしたもの、
種々の合成樹脂等があります。それぞれ材料の性質により利点欠点があり、
修復する作品の状態および環境によって使い分けます。
(裏打ち用のキャンバスの準備)
(フィレンツェ仕様膠糊による裏打ち作業)
作品のキャンバスが比較的新しい場合は、これを保護するために新しいキャンバスを作品に接着しないで
木枠に張り込みます。これをルースライニングと言います。
5。表打ちを取り、新しい木枠に張替える
![]()
![]()
(表打を取る) (新しい木枠に張り替える)以上保存修復の代表的な作業を紹介しましたが、作品の状態によってはこれらの作業の途中には細かい作業が入ります。
例えば、汚れを取る、キャンバスの歪みを修正する、キャンバスの欠落部分にINTARSIO(同様のキャンバスの小片)を嵌め込む、
そして最後に表打ちを取り、新しい木枠に張り替えます。場合によっては作業の順序を変えます。