美的修復には次のような作業があります。これらの汚れを取るためには種々の薬品を使い分けます。
1。PULITURA(画面の汚れの除去)一口に汚れと言っても画面にはいろいろなもの
が混在して付着しています。ほこり 、煤(す
す)、かび、たばこのやに、泥、酸化物等々。
2。STUCCO(欠損部への充填と整形)3。RITOCCO(補彩)
絵具層の欠落した箇所にジェッソ(ボ
ローニャ石膏)を篩にかけ兎膠と練り合
わせて充填します。 ジェッソが乾いたら作品の表面の連続性
を持たせるように整形します。
油彩画であっても油絵具で補彩は行いま
せん。
現代の修復技法は可逆性であることが基
本となっています。修復後、必要な時に
修復前の状態に戻せる方法で修復を行い
ます。まずジェッソの上にグアッシュ等水溶性の絵具で補彩し、
その上にダンマル等のワニスを塗布しその上から修復専用の樹脂絵具で
最終的な仕上げをします。
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(補彩前) (補彩後)
油絵具を使わない理由水溶性の絵具と違い、油絵具は油が空気中の酸素と化合して固まります。4。VERNICIATURA(ワニスの塗布)
酸化重合には何十年もの長い時間がかかります。その間に顔料の変化と油の酸化によって
作品の色味が変化します。こうして酸化重合が終わった作品の欠落部分に
新しい油絵具で補彩すると、補彩した部分はその瞬間から酸化が始まり、
徐々に色味が変化して、時とともに周辺との色の違いが目だって来ます。
そして再び修復してその部分を取り除こうとしても、同じ材質の絵具を使用していると、
溶剤で溶かそうとしても物理的に取り除こうとしても、オリジナルを傷つけてしまいます。
したがって現代では、油絵の修復に使用される絵具は、画面には影響を与えないで
簡単に除去出来るような絵具を使用して補彩を行っているのです。修復の最後に絵具層の保護のために必ずワニスを塗布します。
ワニスにより、画面に光沢が出たり色調が変わったりすることを嫌ってワニスを
塗布しない人もいますが、ワニスの保護膜が無いために傷つく事があります。
作品の色調を変えないようにいろいろと工夫してワニスをかけます。
(いずれも右半分はワニスが塗布されている部分、左半分はワニス無し)